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食品科学者がビールの廃棄物を食品や燃料にリサイクルする方法を考案

使用済み穀物に含まれるタンパク質と繊維を抽出することで、ビールは飲むだけでなく食べることもできると研究が示す。 文:Prachi Patel 2021年4月15日 (Click here for the original English version) ビールを醸造すると大量の使用済み穀物が発生します。クラフトビールメーカーやホームブルワー(自宅醸造家)の中には、この醸造粕をパンやクラッカー、犬用ビスケットなどに加工しているところもあります。しかし世界中で生産される何トンもの醸造粕のほとんどは、家畜の飼料になったり、埋め立て地に行き着いたりしています。 バージニア工科大学の食品科学者たちは、この廃棄物を有効活用する効率的な方法を発見しました。ビールの廃棄物からタンパク質と繊維を抽出することで、バイオ燃料や新しいタイプの食品用タンパク源を作ることができたのです。この研究は先週開催されたアメリカ化学会(American Chemical Society)の春季大会で報告されました。…

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世界初の研究:食品の生産とサプライチェーン全体のCO2排出量が明らかに

最大の排出源である土地由来の排出量は、冷蔵やプラスチックのパッケージなどに次いで明らかに最も削減すべき対象である。 文:Emma Bryce 2021年3月19日 (Click here for the original English version) Nature Food誌に掲載された新しい研究によると、世界の温室効果ガス排出量の3分の1にあたる34%をフードシステムが毎年排出していることがわかりました。この結果はこれまでに行われたいくつかの研究結果と一致しています。 しかし今回の新しい研究では、食品の生産とサプライチェーンの全過程における温室効果ガスの排出源を特定するために、膨大なデータを詳細に収集しています。これにより初めて、セクター別、国別の排出量を確実に特定することができ、世界の排出量において冷蔵とプラスチック包装による排出量の割合が高まっていることなど、驚くべき事実が明らかになりました。 この詳細な結果を得るために、研究者らは欧州委員会共同研究センター(JRC)が作成したEDGAR(Emissions…

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食品のカーボンラベル表示が人々の行動を変えるー積極的に情報を避けようとしている人でさえも

食品の二酸化炭素排出量を知らないままでいることはできないと研究が示唆。 文:Sarah DeWeerdt 2021年4月6日 (Click here for the original English version) スウェーデンで実施された仮想的な商品購入に関する研究によると、カーボンフットプリントラベルによって、人々は気候変動への影響が25%少ない肉製品を選ぶようになることがわかりました。この研究は、食料品店でのカーボンラベル表示という新たな戦略を後押しするものですが、同時に食品の環境負荷について考えたくない人にも届くようにするには、このようなラベルを慎重にデザインする必要があることを示唆しています。 世界のフードシステムは温室効果ガス排出量の少なくとも4分の1を排出しており、特に肉類は多くの二酸化炭素を排出しています。消費者は食品の気候変動への影響についてあまり知らないため、情報を提供することで気候変動に配慮した選択をするようになるのではないかと考えられています。 しかし、食品の購入に限らず、人々は不快な情報を避けているという証拠もあります。例えばクッキーのカロリーや、大量生産された食肉の動物の健康や福利の問題などを知る機会があっても、人はそういう情報を避けることがあります。つまり、自分の信念に反するような情報や、自分の選択に何らかの悪影響を与えると思われる情報を避けているのかもしれません。 そこで、コペンハーゲン大学とスウェーデン農業科学大学の研究者たちは、スウェーデンに住む803名を対象にオンラインアンケートを実施し、この傾向が食品のカーボンラベリングの導入にどのように影響するかを調べました。…

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ゼロエミッションと経済成長を両立するには条件がある

ゼロエミッションを達成するために必要なGDPの割合は、GDPが増加するにつれて減少する 文:Sarah DeWeerdt 2021年6月8日 (Click here for the original English version) パリ協定や国連の持続可能な開発目標(SDGs)で示されている通り、汚染を減らして「ゼロエミッション」を達成することの重要性については基本的に世界各国がほぼ同意しています。 しかし、多くの政府は汚染の除去や、よりクリーンな製造プロセスへの投資が経済に悪影響を及ぼすのではないかと懸念しています。一方、日本の研究者がJournal of Cleaner…

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耐久性と分解性を兼ね備えた木材廃棄物から作られたバイオプラスチック

製材所の廃棄物とグリーンソルベントだけで、シンプルでサステナブルなプラスチックフィルムを作ることができる 文:Prachi Patel 2021年4月1日 (Click here for the original English version) プラスチックの再生可能性を追求する競争が加速する中、コーンスターチ、サトウキビ、ジャガイモ、コーヒーかす、食品廃棄物、藻類などを原料とするバイオプラスチックが開発されてきました。今回、研究者たちは、より強く、より安く、より持続可能な代替品になる可能性があるという廃木材の粉末を使った新しい方法を開発しました。 Nature Sustainability誌に掲載されたこのバイオプラスチックは、強度が高く、劣化せずに液体を保持し、紫外線によるダメージにも耐えることができます。加えて、使用後は完全にリサイクルすることができ、生分解も可能です。 海や陸で増え続けるプラスチックが環境に与える影響が明らかになるにつれ、科学者たちは石油由来のプラスチックに代わるものを作ろうと躍起になっています。しかし、安価で強く、水に強く、尚且つ使い終わったらすぐに分解されるバイオプラスチックを作るのは難しいとされています。…

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