Future Earthは、持続可能な社会への転換をめざす、地球環境研究・サステナビリティ科学の国際的研究プラットフォームです。持続可能で公平な世界の実現をめざし、研究とイノベーション、社会との協働を通して、持続可能な地球社会への転換を推進しています。
フューチャー・アース日本委員会とは
フューチャー・アース日本委員会は、日本でFuture Earthの活動を推進する主要な組織で、Future Earthの趣旨に賛同した日本の大学、研究機関、企業、NPO、メディアなどが参加しています。日本委員会は、日本におけるFuture Earthの活動推進に関し、産業界や地域社会など社会のステークホルダーを代表する役割を担っています。日本学術会議の関連委員会やFuture Earth国際事務局日本ハブと連携し、社会と学術の協働を具体的に行い、国連持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けた社会の取り組みに貢献することをめざしています。
フューチャー・アース日本委員会は、2017年9月、Future Earth国際本部事務局日本ハブを支える組織としてあったフューチャー・アース日本コンソーシアムが発展的に改組し結成されました。2024年4月現在、41機関が参加しています。
委員⻑挨拶
2014年に設立されたフューチャー・アース (Future Earth; FE)は、国連機関 (UNESCO, UNEP, WMO, UNU, SDSN)と、アカデミアを代表する世界組織(国際科学会議(ISC))、および各国の環境研究の資金提供機関の集まりであるベルモントフォーラム (Belmont Forum)等が合同で立ち上げ、グローバル課題の研究活動ネットワークとして、10年間にわたり様々な活動を展開してきました。最近では、SRI (持続可能性研究イノベーション)との連携や、優れた科学が政策に生かされるよう、最新のサステナビリティ研究を総合した科学的知見を、「10 New Insights in Climate Science/気候変動について今伝えたい、10の重要なメッセージ」としてまとめ、発信しています。
フューチャー・アース日本委員会は、FEの世界的活動を日本全体で共有し、広めることを目的に、多くの大学、研究機関を含む学術コミュニティと、企業、行政機関やNPO/NGO、メディア、市民団体など、多様なステークホルダーが力を合わせることにより、日本での環境問題と社会の課題解決をめざすために立ち上げられました。世界の課題は日本の課題でもあると同時に、日本からの解決策の提案が、世界に貢献することも期待されています。他の国や地域のFEの活動との連携と協働を通して、地球全体の「未来」も考えていきます。
具体的には、何を目指して活動しているか、ご紹介しましょう。
F E日本委員会では、毎年、FE日本サミットを開催しています。そこでは、地球温暖化や生物多様性の減少、グローバルヘルスやグローバルリスク等に加え、紛争・戦争と地球環境、衡平で包摂な社会のあり方など、持続可能な社会を脅かす地球規模の課題について、最新の科学知見を共有しています。また、学術コミュニテイと、企業や行政、NPO/NGO、メデイアの各コミュニテイ、市民との対話の場を提供し、社会課題の解決への議論を進めています。
FE日本委員会では、これまでのFEの10年間を振り返り、以下の3つの流れを加速させ、つなげていく活動を推進していきたいと考えています。
1つ目は、FEが開始される前から進められ、現在も多くの科学的知見が積み上げられている、地球環境研究の深化及び総合化に向けた動きです。FEはIPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム)にも参画し、地球温暖化問題や生物多様性問題の解明に資する研究に大きく貢献しています。これらの研究活動は、現在のFEの中では、GRN(Global Research Network)として、それぞれの分野の研究とそれらをつなぐ学際研究の試みが進められており、日本におけるこれらの内容は、日本学術会議の中にある、FEに関する3つの委員会・分科会とも連携して進められています。
2つ目は、FEが開始された頃から注目が加速した、Transdisciplinary (TD)と社会の変容に関する内容です。TD研究は、学術コミュニテイ内の総合的な学際研究だけではなく、様々なステークホルダーとの協働を通して、課題解決につなげていこうとする流れです。FE日本委員会は、学術コミュニテイと、企業や行政、NPO/NGO、メデイアの各コミュニテイ間の対話の場を提供することで、これを進めています。また社会変容 (Transition, Transformation)に関しては、認識の変容、行動の変容、制度の変容など、持続可能な社会への変容に繋がる様々な取り組みとして、企業での新しい取り組み、起業家によるチャレンジや行政制度の新しい試みなどを共有し、各コミュニテイのマッチングを進めています。
3つ目は、これからの未来社会へ向けた、社会のあり方の議論に関する流れです。ポストSDGsやウエルビーイングの議論には、地球温暖化や生物多様性だけではない内容が多く含まれます。様々な要素がトレードオフになっている場合も多く、統合指標や、評価ツールなどを各ステークホルダーが共有するとともに、人の生き方や、持続可能な社会のあり方と、地球環境問題やグローバル課題をつなげる視点が必要になっています。FE日本委員会では、人と社会と地球をつなげて理解し、学術コミュニテイと、企業や行政、NPO/NGO、メデイアの各コミュニテイ間をつなぐ場でこれらを議論し、社会実装に資する取り組みを加速します。
FE日本委員会としては、以上の3つを中心にした内容を、アセスメント・報告書の形で作成することを、今後目指していきたいと考えています。多くの皆さんにFE日本委員会にご参加いただくとともに、未来の地球のために協働していきましょう。
フューチャー・アース日本委員会
共同委員長
谷口真人 (総合地球環境学研究所)
山本百合子(イオン環境財団)

共同委員長 谷口真人 (総合地球環境学研究所)

共同委員長 山本百合子 (イオン環境財団)
イベント
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北海道大学
北海道教育大学(函館校国際地域学科)
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三重大学(大学院 生物資源学研究科)
京都大学(学際融合教育研究センター Future Earth研究推進ユニット)
鳥取大学(国際乾燥地研究教育機構)
広島大学(FE・SDGsネットワーク拠点(NERPS))
高知工科大学(フューチャー・デザイン研究所)
九州大学(持続可能な社会のための決断科学センター)
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琉球大学SDGs推進室
(一社)SDGs市民社会ネットワーク
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LUCKY Fountain 有限会社
4Revs
イオン環境財団
イクレイ日本
一般社団法人SWiTCH
グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン
サラヤ株式会社
リモート・センシング技術センター(RESTEC)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)地球観測研究センター(EORC)
科学技術振興機構
花王株式会社
海洋研究開発機構(JAMSTEC)
国立環境研究所
総合地球環境学研究所
地球環境戦略研究機関
日本科学未来館
日本学術会議
認定NPO法人Malaria No More Japan
文部科学省(研究開発局環境エネルギー課)
フューチャー・アース⽇本委員会 運営委員会メンバー (2024年10⽉1日現在)
共同委員長 | 谷口 真人 | 総合地球環境学研究所 | 副所長・教授/日本学術会議連携会員 |
共同委員長 | 山本 百合子 | 公益財団法人イオン環境財団 | 専務理事 |
事務局長 | 浅利 美鈴 | 総合地球環境学研究所 | 教授/日本学術会議連携会員 |
副事務局長 | 山内 太郎 | 北海道大学大学院保健科学研究院 | 総長補佐/教授 /日本学術会議連携会員 |
副事務局長 | 江守 正多 | 東京大学 未来ビジョン研究センター | 副センター長/教授/日本学術会議連携会員 |
委員 | 沖 大幹 | 東京大学大学院工学系研究科 | 教授/日本学術会議連携会員 |
蟹江 憲史 | 慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科 | 教授/日本学術会議連携会員 | |
三枝 信子 | 国立環境研究所 地球環境研究センター | センター長・教授/日本学術会議副会長 | |
長島 美紀 | 認定NPO法人Malaria No More Japan | 理事 | |
檜山 哲哉 | 名古屋大学フューチャー・アース研究センター | 副センター長/教授 | |
福士 謙介 | 東京大学未来ビジョン研究センター | 教授/日本学術会議連携会員 | |
山口 顕 | 文部科学省研究開発局 | 環境エネルギー課長 | |
渡邊 知保 | 長崎大学プラネタリヘルス学環 | 学環長・教授/日本学術会議連携会員 | |
オブザーバー | 春日 文子 | Future Earth 国際事務局 長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科/プラネタリーヘルス学環 | 日本ハブ事務局長 教授/日本学術会議連携会員 |
ランビーノ・リア | Future Earth 国際事務局 総合地球環境学研究所 | 日本ハブ副事務局長 | |
堅達 京子 | NHKエンタープライズ制作本部 | 情報文化番組エグゼクティブ・プロデューサー | |
紺屋 恵子 | 海洋研究開発機構 JAMSTEC | 研究員 | |
長谷川 雅世 | 国際環境経済研究所 | 主席研究員 | |
アドバイザー | 大西 隆 | 日本学術会議 東京大学 | 元会長 名誉教授 |
安岡 善文 | 東京大学 | 名誉教授 | |
安成 哲三 | 総合地球環境学研究所 京都気候変動適応センター | 顧問・名誉教授 センター長 |